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この夏おすすめの一冊!〜NHK BSで放送したジェリー・イェン主演の話題のドラマ『ザ・ホスピタル』原作〜

[2008年08月06日(水) /ライブ台湾]
華流ニュース この夏おすすめの一冊!〜NHK BSで放送したジェリー・イェン主演の話題のドラマ『ザ・ホスピタル』原作〜
〜NHK BSで放送したジェリー・イェン主演の話題のドラマ『ザ・ホスピタル』原作〜
 

『ザ・ホスピタル』原作:侯文詠(ホウ・ウェンヨン)/翻訳:樋口裕子/角川書店

 何気なく読み出した途端に止らなくなり、最後まで一気に読了してしまう作品に出会うことは多くない。そういった作品に出会えた時は思わず感謝したくなるが、本作はまさにその少ない偶然のひとつ。

 原作者は台湾のベストセラー作家 ホウ・ウェンヨン(侯文詠)。麻酔医師として活躍する傍ら小説を発表し続けていたが、文筆業のみに専念した後書き上げたのが本作だ。原題は『白色巨塔』。日本語の意味は“白い巨塔”なので、山崎豊子さんの著名な『白い巨塔』と混同されてしまうかもしれないが、本作は全くの別物。同じ医療現場での権力争いが舞台であるものの、主となるのは細かな人間ドラマだ。

 ホウ・ウェンヨンの作家としての素晴らしさを大きくふたつあげると、ひとつはエンターテイナーとしての作品構成の巧みさだろう。
 緊迫感に満ちた物語展開に、次は?次は?とページをめくるのももどかしく感じるほど。例えばグァン・シンとスー・イーホアが激情のままに抱き合うシーン。感情がたかぶったスピード感あふれる展開から、イーホアが彼女の服のファスナーを静かに引き上げるまでの流れは、それだけでひとつの映画のよう。
 また、ホイインの病理解剖で真実を暴く鮮やかな導き方は医学のことをまったく理解していない一般読者でも思わず引き込まれてしまう。恐らく優秀なだけの医師ではここまで読者を魅了できず、医療経験のない作家ではこれほどの臨場感は表現できないだろう。
 権力闘争という名の船の行方もさることながら、船の中にいる個性あふれる人物たちの人間関係や人生などからも目が離せない。

ドラマ『ザ・ホスピタル』人物相関図〜複雑に絡み合う人間関係〜

 もうひとつの素晴らしさは人間観察の鋭さ。ホウ・ウェンヨンの作品に登場する人物像たちは肉付けがとてもしっかりしている。中でも彼の描く女性はいずれも現実的で、かつ切ない思いにさせられる。優秀な腕を持ち、正義感にあふれるグァン・シンは過去の辛い恋愛に苦しみ、美人でやり手の女性記者は妻子ある男性の子供をみごもって迷走する。また、チュウ・チンチョンの影の薄かった妻の変貌ぶりも面白い。

 ホウ・ウェンヨンの彼女たちに注ぐ眼差しはとても平等で、作者は彼女達の行動と心情を切れ味鋭いメスで切り取り読者の前に差し出す。特にグァン・シンが昔の恋人に偶然再会し、愛や恋愛について悟るところは秀逸。
 ドラマではジェリー・イェンが演じるスー・イーホアの一途な愛を受け入れないグァン・シンに対し、もどかしい思いをした方も多いだろう。しかし、原作を読んでいただければグァン・シンの恋愛に対する複雑な思いが理解でき、彼女の気持ちがとてもよく分かるはずだ。ドラマで消化不良であった部分を原作で解消するのもいいのではないだろうか。
また、原作に書かれているスー・イーホアのグァン・シンに対する思いや、忘れられない過去の恋に10年後再会した心情など、難しい表現をジェリーがどのように演じたのか、それを観るのも楽しみだ。

 さらにイーホアを好きになってしまう医院長の娘ツイフォンとの関係は、ドラマと原作で大いに違うところ。イーホアとツイフォンの二人の恋愛模様を比較してみると原作者とドラマ制作者の狙いの違いがはっきりと分かり面白い。

 過去の作品『大醫院小醫師』(邦題:インターン)でも描かれる親子関係は本作でも多く登場するが、毎回いつもこの親子関係にはホロリとさせられる。
 本作の場合、荒れた人生をおくっていたどうしようもない娘が手術中に死んでしまい、その事実を受け入れられない母親の話がある。医師は神じゃない、けれど何も自分の娘の手術に・・・このやるせない事実を前に母親の胸中はいかばかりか。彼女の心の変化を前にすると胸が熱くなる。

 深刻な話が続くなか、ホウ・ウェンヨンの持ち味のユーモアセンスも随所でキラリと光る。特に、医院長候補のタン・グォタイとシュー・ターミンがつかみあいのケンカをする場面、「死ぬ」というツイフォンを迎えに行った父親が隠れる場面・・・思わず笑みがこぼれてしまう。
 劇場型小説といえば中身の薄さが気にかかるところだが、ホウ・ウェンヨンの小説は人間ドラマの深さがしっかりと底を支えている。彼の作品がよくテレビ化されるのもうなずけるが、やはりドラマは原作に忠実とはいかない。その辺りの違いを見るのもまた楽しみであろう。

 舞台は病院だが難解な専門用語はむしろ少なく、非常に読みやすい内容となっている。恋愛や死、情について、登場人物が語る中にどれかひとつ、きっと心を揺すぶる言葉があるので、ぜひ皆さんに見つけていただきたい。

 

翻訳者 樋口裕子さんに聞く『ザ・ホスピタル』の魅力

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