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 東京フィルメックス 中国の新鋭監督 イン・リャンの『アザー・ハーフ』 ティーチ・イン!

[2006年11月25日(土) /ライブ台湾]
華流ニュース  東京フィルメックス 中国の新鋭監督 イン・リャンの『アザー・ハーフ』 ティーチ・イン!
ティーチ・インの模様

『アザー・ハーフ』
地方の事件を通し、今の中国の現実を取り続けるイン・リャン監督とプロデューサーのペン・シャンさんによるティーチ・インです! イン・リャン監督は何かを探求する学者のように、一つ一つの質問にとても丁寧に答えてくれました。


――― 去年『あひるを背負った少年』で審査員特別賞を受賞して、今年もまたこのように監督の作品を上映できたことを嬉しく思っています。
監督 皆さん、こんにちは。東京フィルメックスで僕の2作目を上映してもらえたこと感謝しています。去年から一年たち、僕が進歩したのかダメになったのか見ていただけたと思います。
――― プロデューサーのペン・シャンさんは映画の中でも、弁護士に相談に来る子持ちの主婦役で出演されていますね。
ペン・シャン 前作もそうでしたが、映画に出てくる役者さんは皆さん素人の方達です。
ヒロインは私の従妹で、母親役は私の母の姉、医療事故で法律事務所にやってくる女性は私の母の妹です。警官役は家電会社で働いている方で、他にも会社の社長、学校の先生も参加してくれています。
監督 去年の『あひるを背負った少年』の主人公も出ていますよ。レストランでヒロインのボーイフレンドが暴れるのを取り押さえている人です。
――― この映画は希望と絶望から生まれた作品だとおっしゃっていますが、その意味は?
監督 (作品の中で)希望と絶望は全く違うように表現されています。絶望は現実からやってきます。
地方都市(田舎)に暮らす男達の暮らし、これを絶望として描いています。希望については、映画製作に従事する者として僕が思うのは、未来への希望、未来に何かをつなぐものとして、希望から何かを生み出さなくてはいけないということ。希望というのは何かの変化からもたらされるもので、映画も小説もそうだけど、現実を変えていけるというような力はないかもしれないけど、現実をあるがままに提示して現実をかえるような希望をもたらすものでありたいと思って創作しています。
――― 中国の女性が抱えている悩みを細かく描かれていますが、ペン・シャンさんの名前も共同脚本として載っていますね。脚本の段階から時間をかけて作られました?
ペン・シャン 共同で脚本を書いたといっても、独特の四川の方言にあうようにセリフを書き換えたくらいです。その他には少しばかり現実っぽくディテールを加えただけです。ほとんどの仕事は監督です。
監督 彼女は女性特有の視点から、女性の心理情況などのアドバイスをくれました。
観客A(男性) 弁護士に相談にくる方達の様々な悩みは監督が考えたのですか?
監督 まず、この映画をとろうと思ったのはプロデューサーのペン・シャンさんの友人で、弁護士事務所に働いている子と会ったからなんです。彼女と会う前、実は2本、脚本の案があり、撮る準備もしていました。しかし、彼女の話を聞き、非常にいいテーマだと思いました。彼女は一年しか働いていないのにもう辞めたいと言っており、その理由というのが、毎日色んなことを見聞きしてもうすっかり嫌になってしまったというのです。それですぐに2本の脚本をあっさりと捨て、いくつかの法律事務所を回って取材をはじめました。プライバシーの問題はありましたが、様々な案件を取材することができました。50本くらいの記録をとり、その中から自分が取りたいと思うテーマにそった13の案件を集めたのが今の作品となりました。その後に法律家や専門の方の監修のもとにより脚本をチェックしてもらい、さまざまな意見をもらいました。事実を映し出したかったのです。そして撮り終えた後、編集前に再度見てもらい意見をききました。社会人としての責任です。中国には中国人ですら知らない事実が多い。新聞などのメインの報道機関では報道されない事実がたくさんあります。
実はある中国人がこの作品を見て地方都市の知識のうすい弁護士だから、(内容は)怪しいと言われましたが、僕は違う、これは非常に正確な内容だと反論しました。
観客B(男性) この脚本は中国政府に提出しましたか? 政府の反応は?
監督 中国政府の審査をする所にはこの脚本は送っていません。僕が撮るインディペンデント、この種の作品は非常に個人的なものですから、政府が関与すべきではないと思っています。
しかもある特別な人だけが観客の代理で審査をするのは、作品自体が持つ力と真実性が曲げられるのではないかと、その点を心配しています。
観客C(男性) (映画の中で)化学工場が爆発して、政府の放送では安全だから街に戻るようにと言っていますが、実際には街には人は戻らない。これは政府側の発表と事実は違うという意味でしょうか。
監督 細かい観察をありがとうございます。脚本を書く段階で私が意図したところです。政府が公布するものと現実とは落差があると、それを描きたかったのです。それともう一つの大きなテーマ、男女関係にも偽りがあるというのを表したかったのです。ラスト近くに上海に行ったというボーイフレンドの独白の部分、あれも彼女に対する偽りに満ちています。
――― 最後に監督から何か一言ありますか
監督 去年の作品で賞金をもらってから余裕をもって作品をつくることができました。
『あひるを背負った少年』は、おかげさまでロッテルダムでも上映されました。
ですから、今後も僕は映画をとっていかなくてはいけない、自分の日々の生活態度にしても、僕のもつ世界観にも進歩があるべきだと思っています。そして今後も出来る限り、僕の作品に俳優として出てくれた人たちの信頼に背かないように撮り続けたいと思っています。


◆イン・リャンとペン・シャンに関連する過去のニュース
   東京フィルメックス最終日! イン・リャン監督が2年連続 ( 11/27 )
   東京フィルメックス 中国の新鋭監督 イン・リャンの『ア ( 11/25 )

 

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