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『三峡好人』ジャ・ジャンクー監督と主演のチャオ・タオさんのティーチ・イン!

[2006年11月20日(月) /ライブ台湾]
華流ニュース 『三峡好人』ジャ・ジャンクー監督と主演のチャオ・タオさんのティーチ・イン!
ティーチ・インの模様

黒の衣装で現れたジャ・ジャンクー監督とチャオ・タオさん。やわらかい雰囲気のジャ・ジャンクー監督と、映画で見るより若いチャオ・タオさんが制限時間一杯に会場にいらした方達の質問に答えてくれました。


―― 本当にこんなすばらしい映画を作ってくださったことを心からお礼申し上げます。
ベネチアでの金獅子賞、おめでとうございました。
サプライズ上映というかたちで、あっという間に金獅子賞受賞でしたね。
『三峡好人』にある夏の暑い感じがとても素晴らしく表現されており、思わず蒸し暑さが伝わってくるような印象を受けました。今年の夏の撮影ですか?
監督 「去年の9月あたりから3回に分けて撮影しました。奉節の街に住む人たちの移住する過程や、建物のなくなっていく様子をとりたいと思い撮影を始めました。ヒロインのチャオ・タオさんが夫と離婚の話しをする所はダムの中心地だったので、撮影の許可がおりたのが今年の5月でしたね」
―― 撮影の許諾をとるのに時間がかかったのですか?
監督 「2月に申請をだして、許可をもらったのは5月でした」
―― 趙涛(チャオ・タオ)さんも季節がかわっているのに同じ夏を演じるのに苦労したのでは?
チャオ・タオ 「問題ありませんでしたよ。三峡はずっと熱い地域でしたから。苦労といえば撮影の環境の方が大変でした。常に家屋が壊され、ほこりとゴミにかこまれていましたから。特にそういう情況で撮影するスタッフの安全が心配でした」
―― タワーが飛ぶシーンがありましたね。あれは撮影前から決まっていたんですか?
監督 「実はこの映画の脚本を書く時間は3日しかなかったんです。最初は山峡でドキュメンタリーを撮っていたのですが、10日くらい撮っているうちに急に映画を撮りたいなと思うようになりました。
タワーの飛ぶシーンですね。
山峡は僕にとって神秘的なところです。あのタワーは移住を記念する市が建てたモニュメントなのですが、建設途中でお金がなくなって未完成のまま放ってあるのです。山峡の美しい風景とそれが、あまりにそぐわないので、これは飛んでいって欲しいと思いあのようなシーンを作りました。
それから、UFOのような物が出てくるシーンもあります。山峡ダムの大工事は様々なところでニュースになりましたが、現在はその騒ぎも沈静化して誰も興味をもたなくなっています。私も関心を持たなくなっている自分に気づき、寂しさというか孤独を感じました。そんな時に異性人でもあらわれて話をしてくれたらなと思ってあのようなシーンとなったのです」
観客A(女性) 「ずっと見たい映画でしたので、今日は感動しています。
『男達の挽歌』やチョウ・ユンファが何度か登場しますが、80年代の映画やスターをモチーフとして出したのはなぜですか」
監督 「奉節に初めて訪れ大きな川と行きかう大勢の人々や、そこで仕事をする人たちを見て、私は“渡世”を感じました。山や川を越えて敵討ちに行く武侠映画に通じるものを感じたのです」
観客A(女性) 「劇中に出てくる歌の上手な男の子は誰ですか」
監督 「実はあの子は俳優ではありません。私たちが初めて奉節に行き船を下りたときに近寄ってきて“食事は?いい所案内するよ。宿も決まってないなら紹介するよ”と言って来た子なんです。客引きみたいなことをしていました。ところが私が、逆に君は何をしてる子だと聞くとモゴモゴ口を濁してハッキリ答えない。その後も撮影中に街で何度も偶然に会いましたが、後の僕が映画の監督だと知ると、役者として出してくれないかと頼んできました。
それで、君は何が出来るのかと聞くと歌が歌えると、それで歌ってくれたのがあの2曲*でした。映画での彼のイメージは旅芸人なんです」
観客B(男性) 「同じ街が壊れていく映画にペドロ・コスタ**の『ヴァンダの部屋』というのがありますが、監督はその映画は意識されましたか? また映像がとても乾いた感じがしましたが何か特別な配慮をされましたか?」
監督 「その映画はみた事ありますし、ペドロ・コスタさんは友人ですが、意識はしていないです。
また、この映画はフィルムではなくてHDVで撮影しました。
撮影前にカメラマンと相談したのですが、三峡地域の街並みは確かに日々変化していきますが、この地域は昔から山水画で有名な所です。いくら街をこわそうと川は残り、山はある。
そして私は絵画のようにこの風景を残すため、横に長い巻物のように撮りたいと相談しました。
仕上げの段階でも色彩の調整をし、山水画のように緑がかった色味を意識しました。
山峡ダムあたりは湿気が高く蒸し暑い地域です。ちなみにその“暑さ”を出すのに、チャオ・タオさんが扇風機にあたるシーンは彼女のアイデアだったんですよ。とにかく私は映画に“ジトッ”とした感じをだしたいと思っていました」
観客C(男性) 「当初のドキュメンタリーからなぜ映画に?」
監督 「実は三峡では2作を撮影しました。一作は「東」という名で、画家をしている友人が奉節に行き、労働者の姿を絵にするのを撮影したドキュメンタリーです。ドキュメンタリーを撮っている時に私は多くの肉体労働者に心を動かされました。タバコをすいながら工具を背負って帰っていく彼らの姿を見て、彼らの向かう家はどういうものなのだろうと思いました。人には見せない部分が絶対に誰にでもあるはずですが、そこを映画にできたらなと思ったのが『三峡好人』を撮るキッカケでした」
観客D(男性) 「青いシャツをきた東明の役をされた俳優は『小武(日本題名:一瞬の夢)』に出ていた方ですか? 少し太りました?」
監督 「そうです。彼(王宏偉)です。以前の彼はコソ泥棒とかの役でしたが、今回は考古学者というインテリの役だから喜んでいましたよ。実は撮影前に既に10kgのダイエットをしましたが、やっぱり以前より太りましたね。彼は冗談でよく『小武 パート2』を作って、中年の小武を撮ったら?と言っています」
―― 今後の中国での公開は?
監督 「12月12日から中国全土で公開されます」
―― 「日本ではビターズ・エンドの配給で来年2月に公開される予定です」
* 「老鼠愛大米」「紅高梁」
** ポルトガルの映画監督
三峡好人(原題)
Staff
監督:ジャ・ジャンクー(賈樟柯)
CAST
チャオ・タオ(趙涛)他

◆ジャ・ジャンクーに関連する過去のニュース
  『三峡好人』ジャ・ジャンクー監督と主演のチャオ・タオさん ( 11/20 )

 

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