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第19回東京国際映画祭 ライブ台湾セレクション ライブ台湾スペシャルリポート

『シルク』江口洋介さんとスー・チャオピン監督を招いてのティーチ・イン!

10月29日(日)、台湾映画注目の『シルク』の上映後、主演の江口洋介さんと監督のスー・チャオピン氏を招いてのティーチ・インが行われました。
江口さんにとっては本作品が初のアジア進出作品。スー・チャオピン氏は本作品でいきなり金馬奨監督賞にノミネート。ティーチ・インでは、スー監督が江口さんに出演依頼をした時の話や、江口さんが経験した台湾での撮影現場での話など、本作品の裏話・苦労話などいろいろと楽しいお話を伺うことができました。会場にお越しになれなかった方々、本日の「ライブ台湾 」特別版にて会場の雰囲気をお楽しみ下さい。江口さんの楽しいトークをお聞きになれますよ。
おことわり:本日の「ライブ台湾」特集は、音声と静止画のスライド・ショーで構成されたモンタージュです。動画ではございませんので、予め御了承下さい。

江口洋介さんとスー・チャオピン監督

記者の質問に答える江口洋介さん
  「シルク」スー・チャオピン監督、単独インタビュー!
10月26日(木)11:30から台湾映画の注目作品「シルク」の上映とスー・チャオピン監督を招いてのティーチ・イン
が行われました。「シルク」は先日発表された本年度の台湾金馬奨ノミネートに5部門が選ばれ、スー・チャオピン氏も最優秀監督賞にノミネートされています。
(金馬奨ノミネートの詳細は、10月25日付の「ライブ台湾ニュース」をご覧下さい。)
「ライブ台湾」では、昨日のティーチ・インの後、監督の単独インタビューに成功!本日はその模様を「ライブ台湾」動画ニュースにて速報としてお届けします。

 10月26日(木)の『シルク』のティーチインは、スー・チャオピン監督お一人をお迎えして行われました。作品の発端や、音楽・美術などについてのマニアックな質問が多く見られる濃い時間となりました。
―― まず、今回、監督は脚本も書かれて監督もされていますが、両方やろうと思ったのは何故でしょうか? また、テーマを思いつかれたきっかけは?
監督 「これまで私は、他の監督に脚本を書くことがほとんどでしたが、自分で書いた脚本を自分で仕上げれば完璧なものになるのではないかと思いました。このテーマを選んだことについて、ここに至るまでは複雑なのですが、いちばん最初は科学のニュースを見たことから始まります。それは、日本の科学者がメンジャースポンジというものを発明し、それは電磁波を集めるスポンジであるということでした。このことにとても惹かれて、映画にしたいと思ったのが最初ですね」
観客A(男性) 「この映画は中国語と日本語のセリフが入り乱れる構図になっています。何語にするのかは、どの段階で決まったのでしょうか?」
監督 「脚本段階から日本人という設定で撮る構想でした。現実に、メンジャースポンジは日本人の発明ということでしたので。撮影に入ってからも、日本語と中国語をどういうふうに使っていくかいろいろ調整を重ねました。俳優たちとはよく話しあって言葉の問題をクリアするようにし、現場での修正を行いました。言葉の問題は、基本的にうまく処理されていると思っています」
―― 江口洋介さんが中国語をしゃべるようにしたほうが、たくさんの台湾の俳優さんに日本語を教えるよりいいように思うのですが、そのへんはどうなのでしょうか?
監督 「じつは、カットしてしまった部分に江口さんがたくさん中国語を話すシーンがあります。いま、編集上、この映画の中には入れていませんが、(台湾で)DVDが出るときには江口さんが中国語を話すシーンがいっぱい入りますので、それをご覧下さい」
観客B(男性) 「音楽がとても効果的でアジア的な雰囲気で、かつ不穏な雰囲気が醸しだされていました。音楽について、監督から何か要望は何かあったのでしょうか」
監督 「作曲を依頼するとき、私のリクエストはとてもシンプルなものでした。従来のいかにもホラー映画だというものではないものを作ってほしいという要求をだしただけです。結果として、中東の楽器を使ってアジア風の雰囲気を出したものになりました。どこの国の音楽かはわかりませんけれど、なんとなくアジア風という雰囲気があります」
観客C(男性) 「江口さんを起用した理由は? 美術にも日本人スタッフ(種田陽平)を起用した理由は何でしょうか?」
監督 「(江口の演じた)橋本役には、3人の候補を挙げていました。江口さん、唐沢寿明さん、それから真田広之さんなんですけど、結局、江口さんにお願いすることになりました。江口さんの演技はいろいろ見ていますが、特に『白い巨塔』で演じた役はとても素晴らしいもので、成熟した演技でした。この橋本という複雑な人物を演じるにあたっても、相応しい演技をしてくれたと思います。
 美術担当の種田さんには、お会いしたときに、この作品の美術はいかにも台湾風というのではなくて、アジアの雰囲気を持たせてほしいとお願いしました。これは台湾の観客だけが見るのではなくて、いろいろな国の人が見る、そのときに、どことなくアジアの雰囲気があって、アジアで起こった物語なのだということがわかるような感じで仕上げてほしいと伝えました。そういう意向があったので、特に台湾の美術担当ではなくて日本人の種田さんにお願いしたわけです」
―― 特に種田さんの手がけた作品で印象に残っているものは?
監督 「種田さんが美術を担当された作品で、過去に3本、とても印象に残っているのは『不夜城』と『キル・ビル』と『スワロウテイル』ですね。種田さんの美術は、どこの国と確定されたものではなく、なんとなく無国籍風ではあるけれどアジア的であると、その雰囲気がとても気に入っています」
観客D(男性) 「メンジャースポンジの記事からインスピレーションを得て作ったといおっしゃいましたが、タイトルは『シルク(詭絲)』です。恨みを持って死んでいった人にこの絹糸が絡むとともに、母と子のことも描いているわけですが、そのあたりの発想はどころから?」
監督 「シルクの糸は、人間の感情を表現したものです。人間と人間の感情は糸で結ばれているというふうにとらえました。たとえば、ある女性を好きになるとします。その人がアメリカにいようとどこにいようと、自分が彼女を思う強い思いは糸で繋がれているかのように強くなっていくわけです。まるで絹糸があるように思いは繋がっていて、距離とか場所は関係なく繋がっているのです。ですから、細い絹糸が繋ぐのは、形のない感情と感情の通い合い。人と人との間にはもちろん愛がありますけど、この感情のなかにあるのは愛だけではなく、また憎しみもある、様々な感情を繋ぐ糸、それがシルクの意味です」
  シルク (原題:詭絲)

Staff

監督:スー・チャオピン(蘇照彬)
製作:ミン・ツー   エグゼクティヴ・プロデューサー:ホアン・チンウェン/ジミー・ホアン   脚本:スー・チャオピン   撮影アーサー・ウォン   音楽:ピーター・カム   編集:チェン・カーファイ   美術:種田陽平

Cast

チャン・チェン/江口洋介/カリーナ・ラム/バービィー・スー/ベルリン・チャン/チャン・チュンニン

Story

監督自身の脚本賞受賞作品である「シルク」が映画化され、カンヌ国際映画祭の監督週間でプレミア上映された。この超自然サイエンス・スリラー作品は、スー・チャオピン監督がある記事に触発されて生まれたという。記事は、日本人科学者が世界で初めてメンジャースポンジという立方体に電磁波を一時的に閉じ込めることに成功した、という内容だった。本作品に登場する橋本博士(江口洋介)は、誰も住んでいないアパートにとりついている少年の幽霊とのコンタクトを試みる。少年の霊は謎の言葉をつぶやいているため、橋本は読唇術の心得のある特別捜査官の助けを借りる。絹の糸のように細い光線が現われ、それが少年の不可解な死因や、死後の世界を解き明かすヒントとなる。台湾映画のイメージを一新する脅威のサスペンス・スリラー。

Story

http://www.silkthemovie.com/ (中国語・英語のみ)

Credit

2006年製作/カラー/107min./35mm/中国語

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